想いが伝わる介護の心 ①

ユマニチュード・バリデーション

という言葉を聞いたことはありますか?

介護に携わっている方は

きっと聞いたことがある方もおみえになるのではないでしょうか?

ユマニチュードもバリデーションも

認知症のご高齢者とコミュニケーションをとるための方法です

 

今回はバリデーションについてお話しします

 

認知症は症状が進行しても”感情”は最後まで残ると言われています

バリデーションでは

失っていくもの  認知レベル  ではなく、

失われないもの  感情レベル  にポイントをおきます

 

つまりマイナスの感情  悲しみ・怒り・恐れ・不安

フタをせず、むしろ感情を表に出していただき共感していくことを目指します

認知症のご高齢の方の「人生の未解決の課題」や

「やり残したこと」「心の傷になっていること」への支援することもあります

 

そのように実行していくことにより

大きな効果が期待されます

認知症の方は

・ストレスや不安が軽減されます

・BPSD(行動・心理症状)の緩和につながります

・自尊心を取り戻し、再び生きる希望を持つことができます

・再び他の人との交流を持つことができます

また

ご家族や専門職の方は

・認知症の方の言動を理解することで、共感や受容ができます

・フラストレーションが緩和されます

・認知症の方との信頼関係を築くことができます

・自分の仕事や家族の介護に自信を持つことができます

では実際にどのような態度で接していけばいいのでしょうか?

①傾聴する

表された言葉の意味だけに関心を持つのではなく

「心の奥にある感情」に耳を傾けます

五感を持って認知症の方が本当に言いたいことを

積極的に傾聴します

 

②共感する(カリブレーション)

感情や呼吸のペース、姿勢など認知症の方の

感情が現れている身体部分を観察し、

一致させていきます

 

③誘導しない(ペースを合わせる)

まるでダンスや演奏をするときのように支援者が認知症の方のペースに

合わせます

忍耐が必要かもしれませんが

感情や呼吸のペース、姿勢などを合わせていきます

 

④受容する(強制しない)

「あるがまま」

を認めてご本人の世界に近付こうと努めます

⑤うそをつかない・ごまかさない

例えば

「家に帰りたい」

と訴えたとき

ごまかしたりせず、本当の訴えをつかもうとします

「家に帰りたい」

と訴えるご本人の感情にフタをせずに向き合い、

信頼関係を築くようにします

 

次回はバリデーションのテクニックについて

お話しします

 

最後に

私たち介護に携わるものは

ゆったりとしていて

親密さを持ったケアを

仕事として行っている

 

ケアを受けている相手が、

もし叫んで抵抗するとしたら

ケアを行っている私に問題がある

 

 

そんな思いを心に持って

高齢者の方のケアをしていきたいものです