感染予防策

マインズでは毎月勉強会をしてケアの技術向上、

知識の引き出しの中身を増やしています

昨日、7月22日には感染予防策について

担当看護師のSさんが講師になり学習しました

 

たくさんのご高齢の方が過ごされるデイサービスでは

正しい感染予防策が必須です

一口に感染予防…と言っても

病原体の種類によって予防の仕方が変わってきます

自分の身を守るためにきちんとした対策をしましょう

①標準予防策

標準予防策(スタンダードプリコーションとも言います)は感染性の有無にかかわらず全ての人に適応されます。

例えば

*血液

*汗を除く全ての体液(唾液、鼻水、痰、母乳、涙)分泌物、排泄物

*傷のある皮膚

*粘膜

これらに触れる際は病原体の感染の可能性を考えて手袋を着用します(時には適切な個人の防御服、マスク、エプロンなども着用します)

ここで改めて大切なことは適切な手洗いです

接触する前に手洗いをし、手袋を着用します

着用後汚れた手袋は汚れたところが内側になるように外し、またゴミ箱に捨てる時も汚れた面が内側になり、

不意にゴミ箱に触っても病原菌が広がらないように配慮します。

他の部位、他の人への二次感染を防ぎます

その後手洗いをします

決して手袋は手洗いの代わりにはなりません

 

またマスクも外側には病原菌が付いているかもしれません

外すときは必ず耳掛けの紐を持ちましょう

 

感染があってもなくても自分の身を守るための対策です

 

②感染経路別の予防対策

感染経路には

1、空気感染、2、飛沫感染、3、接触感染があります

空気感染と飛沫感染の違いは

病原菌の大きさです

空気感染は5ミクロン以下という空気中にふわふわと漂い続けている飛沫粒子の感染です

主な疾患は結核、麻疹、帯状疱疹です

個室での管理が必要で菌が浮遊し続けるので空調が陰圧できるといいです

ケアするときは高性能マスク(N95など)を着用します

それに対し飛沫感染は5ミクロン以上の飛沫粒子です

主に咳やくしゃみ、会話などで飛沫し

水分を含んでいるので空気中にふわふわし続けることはありません

主な疾患はインフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、風疹、流行性耳下腺炎、百日咳などです

原則として個室での管理が必要ですが施設では同じ病気の方と集団で隔離することもあります

ケアするときはマスク(サージカルマスク)を着用します

咳をしている入居者、利用者さんにはマスクをつけて頂きます

感染した時、病院へ移送したりするとき、廊下を通って玄関に出る時などもマスクを着用して頂きます

職員はうがいを励行します

接触感染は皮膚と皮膚による直接的の接触、

ドアノブ、ベットの柵、蛇口を介し間接的接触により広がります

主な疾患はMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ノロウイルス(感染性胃腸炎)、疥癬、Oー157などがあります

 

病原菌は多種ありまだまだ医学的に治療法、感染経路が解明されていない未知ものもあります

まだ発見されていない病気もあるかもしれません

病院で調べたときは陰性だったが少し経つとなんらかの症状が出ることもあります

 

私たち介護の職に携わる人はもちろんのこと

介護されるご家族様にも

ぜひご自分の身を守る知識として

この、感染予防策が

少しでもお役に立てればと思います

暑い夏を過ごすための睡眠

眠りの質や時間は年とともに変化、低下していくようですが

より良い眠りのためにできることもあります

良い眠りを妨げている要因は

①日によって起きる時間が違う

②夕方に(または昼間)30分以上昼寝をすることが多い

③寝る直前までまたは寝ながらテレビを見ている

④眠くないのに寝床に入る

 

良い眠りに導くための方法は

①毎日ほぼ同じ時間に起きる

②ほとんど昼寝はしない

③寝る前はテレビを消してストレッチをする

 

ストレッチ❶

仰向けに寝て両膝を合わせ立て、両腕は横に広げ

全身の力を抜きます

その姿勢から、両膝を右側にゆっくり倒して維持します

反対側も同じようにします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストレッチ❷

仰向けに寝て、両手、両足を上にあげます

そのまま全部一緒にブラブラブラ〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④眠くなってから寝床に入る

 

いかがですか?

快眠を妨げている暮らしを

知らず知らずのうちに行なっているような

当てはまることはありませんか?

 

疲れがたまりやすい夏だからこそ

質の良い睡眠をとって

朝すっきりと目覚め、

元気な一日を過ごしたいものです

 

想いが伝わる介護の心 ①

ユマニチュード・バリデーション

という言葉を聞いたことはありますか?

介護に携わっている方は

きっと聞いたことがある方もおみえになるのではないでしょうか?

ユマニチュードもバリデーションも

認知症のご高齢者とコミュニケーションをとるための方法です

 

今回はバリデーションについてお話しします

 

認知症は症状が進行しても”感情”は最後まで残ると言われています

バリデーションでは

失っていくもの  認知レベル  ではなく、

失われないもの  感情レベル  にポイントをおきます

 

つまりマイナスの感情  悲しみ・怒り・恐れ・不安

フタをせず、むしろ感情を表に出していただき共感していくことを目指します

認知症のご高齢の方の「人生の未解決の課題」や

「やり残したこと」「心の傷になっていること」への支援することもあります

 

そのように実行していくことにより

大きな効果が期待されます

認知症の方は

・ストレスや不安が軽減されます

・BPSD(行動・心理症状)の緩和につながります

・自尊心を取り戻し、再び生きる希望を持つことができます

・再び他の人との交流を持つことができます

また

ご家族や専門職の方は

・認知症の方の言動を理解することで、共感や受容ができます

・フラストレーションが緩和されます

・認知症の方との信頼関係を築くことができます

・自分の仕事や家族の介護に自信を持つことができます

では実際にどのような態度で接していけばいいのでしょうか?

①傾聴する

表された言葉の意味だけに関心を持つのではなく

「心の奥にある感情」に耳を傾けます

五感を持って認知症の方が本当に言いたいことを

積極的に傾聴します

 

②共感する(カリブレーション)

感情や呼吸のペース、姿勢など認知症の方の

感情が現れている身体部分を観察し、

一致させていきます

 

③誘導しない(ペースを合わせる)

まるでダンスや演奏をするときのように支援者が認知症の方のペースに

合わせます

忍耐が必要かもしれませんが

感情や呼吸のペース、姿勢などを合わせていきます

 

④受容する(強制しない)

「あるがまま」

を認めてご本人の世界に近付こうと努めます

⑤うそをつかない・ごまかさない

例えば

「家に帰りたい」

と訴えたとき

ごまかしたりせず、本当の訴えをつかもうとします

「家に帰りたい」

と訴えるご本人の感情にフタをせずに向き合い、

信頼関係を築くようにします

 

次回はバリデーションのテクニックについて

お話しします

 

最後に

私たち介護に携わるものは

ゆったりとしていて

親密さを持ったケアを

仕事として行っている

 

ケアを受けている相手が、

もし叫んで抵抗するとしたら

ケアを行っている私に問題がある

 

 

そんな思いを心に持って

高齢者の方のケアをしていきたいものです

認知症の兆し

家族の介護が必要となる認知症という症状

あれっ?なんかおかしいな?

 

早めに気づいていれば

早めに病院に受診していれば症状の悪化を防ぐことができます

今回は認知症の初期の症状に気づくポイントについてお話します

①何度も同じことを言ったり、聞いたりする

あれっ?って思いますね

さっき言ったのに、また聞くの?

しかしその時「さっきも言ったでしょ!」

と怒ってはダメです

周囲の人の対応を工夫することも重要です

初めての質問に答えるような態度で接しましょう

 

②ものの名前が出て来なくなる

特に人の名前

顔はわかるんだけど、名前が思い出せない。

よくあります

会った人の名前が思い出せないのではなく、会ったこと自体を忘れてしまうこともあります

 

③慣れてよく知っている場所で道に迷ってしまう

時間や場所の感覚が曖昧になってしまうことも多いようです

朝なのに夕方だと思ったり、今自分がいる場所がわからなくなったりします

 

④好きだったことに無関心になる

趣味のことをやらなくなったり、気力の低下に注意が必要です

 

⑤置き忘れやしまい忘れが目立つ

以前はちゃんとしまっていたのに、出しっ放しが多くなってきたなぁと感じたら注意です

 

⑥「財布を盗まれた」などと騒ぐ

大切なものがなくなった、誰かに盗んだ、人を疑ったりします

 

⑦毎日していた日課をしなくなる

料理の仕方や味付け、調理器具の使い方がわからなくなってしまうこともあります

料理も単調になり同じおかずしか作れなくなってしまいます

 

⑧暴言を吐いたり、怒りっぽくなる

 

⑨夜中に急に起き出して騒ぐ

外に出て行ってしまうこともあります

 

⑩複雑なドラマが理解できなくなる

 

①から⑩まで3つ以上当てはまる場合は専門医に相談した方が良いそうです

 

また

長期の過度なアルコール摂取は脳を萎縮させ、認知症の悪化を早めます

糖尿病や高血圧症などの生活習慣病も、認知症になりやすい要因です

認知症になってしまった後でも、生活習慣病の治療をすると、

認知症の進行を遅らせるというデータもあるそうなので

積極的に治療を進めましょう

 

認知症の悪化、早期発見のために

認知症の兆しに築いてあげましょう!

(2014年10月の中日新聞を参考にしました)

 

 

 

 

 

日常生活の活動を向上し廃用症候群を予防しましょう

廃用症候群

聞いたことはありますか?

この病気は

今では”生活不活発病”とも言われている病気です

生活が活発でなくなってしまう病気、

どうして廃用症候群になってしまうのでしょうか?

どうしたら廃用症候群の予防・改善をすることが出来るのでしょうか?

 

予防できる病気なら身近な方や自分が廃用症候群にならないよう、

もしなってしまったなら、ケアできるようにしていきましょう

 

どんな症状が廃用症候群になってしまうのか、なりかねないのかみてみましょう!

 

①筋力の低下

例えば絶対安静の状態で筋肉の伸び縮みが行われないと

1週間で10〜15%の筋力低下が起こると言われています

動かないと筋肉が減ります

 

②骨粗鬆症

骨に荷重されないことで骨がもろくなります

例えば宇宙飛行士

地球上では、重力の負荷により特に意識しなくても、一定の骨量や筋肉が維持できていますが

宇宙では無重力のため負荷がないので地上の約10倍の速さで骨の密度が低下するケースもあるそうです

約10日間無重力状態にいると約3.2%の骨成分の喪失が起こるそうです

動かないと骨が減ります

 

③関節萎縮

関節の周囲の皮膚や筋肉、靭帯などの軟骨の組織が変形することにより関節の可動域

(動かすことのできる範囲)が低下します

動かさないと関節の動きが悪くなる

 

④皮膚が褥瘡になる

不潔な状態が続いた皮膚や、圧迫された皮膚、また栄養不良などが原因で起こります

ベットでの生活時間が長い方は、後頭部、肩、肩甲骨、脊椎

椅子に座った状態が長い方は、仙骨、尾骨などによく起こります

動かさないと皮膚が潰れる

 

⑤起立性低血圧

ベット上での体位変換や些細な動きでも立ちくらみが起こります

 

 

 

 

 

 

 

不活発で動かない方は血液の循環が悪くまた心臓の筋肉が低下します

 

⑥消化器系への影響

動かないと食欲が低下する

腸の蠕動運動が低下し、食べ物の栄養吸収率が低下します、そのため体重も減少し、便秘になります

 

⑦精神的な影響

お家に閉じこもりがちは社会的孤立状態を作ります

脳の機能は低下し、

不安や意欲低下、集中力の低下、うつ状態、知的機能の活動の減退になり

やがて認知症へと進行する場合もあります

昼間の夜の時間が逆転し見当識や睡眠のリズムが障害されます

例えば思い通りに体を動かせなくなる事実に落ち込んでしまい、心の病に陥ってしまう方もいます

 

 

 

 

 

 

 

⑧呼吸器系への影響

不活発、動かない状態だと筋力低下は呼吸筋にも起こります

肺活量の低下や最大換気量が低下します

 

このように

様々な原因で

横になっている状態や寝てばかりになると不活発…活動しない状態に

知らず知らずのうちになってしまいます

気づかないうちに運動能力が衰え、

自分で動くことが思うようにできなくなるだけでなく、

ほかの体調不調を起こしてしまう病気です

 

様々なきっかけで起こる廃用症候群

その悪循環を断ち切るには

活動的になる機会を作ることです!

またそのためには周囲の人の協力が必要です

自分でできることは自分でする!

できることが少しでも増えていけば廃用症候群、生活不活発病は防ぐことができるのです

 

 

私たちの生活の近くにあるAI

私たちの身近な生活に入ってきたAI

大まかに

AIとは人口知能

ITとは情報技術

ICTとは情報通信技術

IOTとはネットと繋がるもの

の意味らしいです

これらの進歩により生活は便利になっていくことは確実です

また仕事もAIに任せることが出来る、そんな職業もあるそうです

あるお寿司屋さんの受付業務はまさにロボットの店員さん

AIによりなくなってしまう仕事、コンピューターで置き換えられる仕事、置き換えられない仕事。

成り手不足の介護業界の

介護ロボットの未来像…

しかし

こまごまとした多様な作業は難しいようです

 

ひょっとしたら

皆さんの家にもすでに何かしらあるかもしれませんね

ア◯クサ〜🎵

回想法で生き生きとした自分を取り戻す

心理療法の一つに”回想法”というものがあります

これは

ご高齢者の方たちに

皆さんのお若かった時のお話を聞いたり、

その時代に流行っていて夢中になっていたことをお話しします

「風呂焚きは俺の仕事やった」

 

「洗濯機の脱水はハンドルをぐるぐる回して

ペラペラにして絞ったわ」

 

「夕方になると豆腐を売りにラッパの音がしていたわ」

 

懐かしい思い出話しを

頬を赤らめて手振りつきで

ゆっくりお話をしてくださったりします

 

認知症は脳の認知機能の低下で

他の人とのコミュニケーションに支障が出たりします

 

その結果

情緒不安や被害妄想

 

落ち着かず

(そわそわしてあらぬところへ)

歩き出したりします

 

認知機能のうち

身体で覚えた記憶は

案外残っていて

「風呂焚きは俺の仕事やった」

風呂の焚く方法の

手続きは覚えているようです

いわゆる

手続き記憶というものです

 

昔のその時の

景色、匂い、空気の温度、色、周りの音、子供の声、

昔の記憶が

みんなとおしゃべりをしているうちに

生き生きと思い出されてきます

その時の様子を

言葉や身振り手振りで他の人に伝えて分かってもらう

分かってもらえた!

そうだった!

私もやったことがある!

 

そばにいる若い職員はそんな時代を知らないので

じっと、はなしに聞きいります

 

認知症の人たちの思い出を引き出し

脳を活性化する療法が

回想法です

 

 

 

高齢者の傷つきやすい皮膚

角質水分量が低下している高齢者の皮膚は

水分を外から補うための保湿ケアが大切です

 

私たちケアスタッフは

ご高齢者の方が肌着を脱ぐと”ぱぁっ”と白い粉が舞い上がるのを

入浴介助をさせていただくときよくお見受けします

 

肌を健康に清潔に保つためには

① 洗う

②保湿する

③保護する

この3つが大切です

 

高齢者の方の特徴を踏まえてお話ししましょう

①洗う

高齢者の方は皮膚の構造上で言うと表皮というところが大変薄くなっています

薄くなっているのでちょっとした刺激でも傷がつきやすいのです

しかも乾燥していて、汗や皮脂の分泌も少なくカサカサです

だから下着を脱いだ時に”ぱぁっ”と白い粉が舞うんですね

弱酸性の泡で優しく、優しくこすらずに洗ってあげましょう

②保湿する

保湿のタイミングは入浴や綺麗に洗った後15分以内が適しています

少し多いかな?と思うほどの十分な保湿剤をこすらず優しく手のひらで温めてから塗ります

量の目安は手のひら2つほどの面積を塗るとすると

保湿剤は指の第一関節長さが適量です

(finger tip unit フィンガー チップ ユニット)

③保護する

保湿剤を塗ることにより

外からの刺激から皮膚を守り、刺激物が皮膚の奥の組織まで侵入しにくく

皮膚にバリアを張ってくれます(バリア機能)

特に高齢者の方の肌は

水分が少なく、皮膚(表皮)が薄くテカテカしています

バリア機能が低下して汗や皮脂の分泌が低下しています

そのために保湿剤を塗り肌を保護してあげるのです

 

肌を健康に清潔に保つための

① 洗う

②保湿する

③保護する

さっそく今日から実践して

健康な皮膚を保ちスキントラブルを防止しましょう